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プロの小説家をやっております。
秀丸は昔から使わせていただいていますが、ひとつだけ、不便な点があります。
それは秀丸の禁則処理の弱さです。
文筆業の仕事における禁則処理と、秀丸の禁則機能の食い違いのために難儀してい
ます。
文筆業といっても、現代ではもう原稿用紙で書く時代ではありませんが、日本語が
マス目文化であるために、仕事の発注時には字詰め指定されてきます。
たとえば文庫本などでは、1行は40文字。ただし、句読点やカッコ類、!?など
の、いわゆる「行頭禁則文字」に相当する文字は、41文字目にぶら下げる形となり
ます。
しかるに秀丸では、ぶら下げが行われるのは「句読点のみ」です。
プロのライター仕事では、23W×15Lというような発注の仕方がされてきます。
そこに一行の狂いもなく、ぴったりの字数、行数で原稿を書かねばなりません。
本来であればぶら下がるはずの文字が追い出されてしまうと、そのぶん、行数が増
えてしまいます。
1行でも狂いが出てしまうことは、プロの仕事の上では致命的なのですが、現在の
秀丸の仕様では、行数にかなりの誤差が出てしまうことを避けられません。
これはプロの仕事用の道具として、秀丸が使えないことを意味しています。
現在、他のエディタでは、縦書き機能が実装されているのと同様に、ぶら下がり文
字種の任意指定も行えるというのが普通の機能となっています。
そのため、知人のプロのライターには、秀丸から他のソフトに乗り換えてしまわれ
た方も多いです。前述したようにライター仕事では、現在の秀丸は仕事の道具として
使用に耐えませんので、しかたのないことなのですが。
私の仕事は小説家ですので、ライターほど文字数の制約は厳しくなく、まだなんと
かやれていますが……。
「行頭禁則文字のぶら下がり」に関して、よろしくご検討ください。
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